代表挨拶

東北から関東まで未曽有の被害を齎し、未だ多くの人々が物心両面の後遺症に苦しむ東北大震災も、早一昔前のこととなってまいりました。その間、懸念される南海トラフこそ動きませんでしたけれど、全地球規模の温暖化という人類が自ら作り出した気候変動による自然災害も多く、国内各地の台風による洪水や更に地震等は枚挙にいとまがありません。最近は、災害列島とも呼ぶべき程の相次ぐ大規模被害を受けて、高速道路網は概成した、これ以上は無駄使い、国債頼み等々喧しく取上げられていた公共事業に対する風向きも、列島強靭化のスローガンに見るように、少々変わってきたように思われます。
国債の形で子孫に大きな借金を残すことは、少子化と相俟って将来への不安をかき立て、延いては国力の低下を招くことは言うまでもないことです。しかし、2次・3次産業が日本の骨格であり、熾烈な国際競争に打勝つためには、基礎研究の充実と並んで良質、かつ効率的なインフラストラクチャーの整備が必要なことは自明であり、不完全な、或いは老朽化して安全性を問われるインフラを後の世代に引継ぐことは、日本の将来にわたる発展の芽を摘むことでもあります。地方の時代と言われて久しい時が経ちました。 地方の時代とは金を地方に配ることではありません。構成要素である地方が発展することで国の発展に繋げていく、そのために金と自由裁量権を地方に委譲することです。 地方の発展は、新規産業の立上げ・企業の立地・人の定着・大都市圏からの人の移動に懸かっており、その為には企業が安心して立地し、収益を上げ得る整備されたインフラが必要です。地方に良好で且つローコストのインフラ整備が必要とされる時代だからこそ、地方にも起業者の有能なパートナーとしてのコンサルタントが求められています。
当社は、1984年の創業以来三十有余年にわたり補償コンサルタントの専門業者として、次々打ち出される新しい施策に沿って研鑽を重ね、補償業務管理士は全て社内で資格を取得し、必要なコンピュータシステムを開発する等地域に密着した歴史を積み重ねて参りました。今後ますます高い次元での費用対効果が求められる公共事業にあって、その一部を担っていけるよう、社員一同一層の努力をする所存ですので、宜しくお願い申し上げます。

取締役会長  林 誠

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